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痛みとは
2025年01月21日痛みや違和感を抱えている人にとって、
痛みに直接触れることで解消されることもあると思います。
しかし、それだけでは解消されないケースがあるからこそ、
今までこの仕事を続けられてきたとも言えます。先日、とある医師と話す機会があり、鍼灸の話題になりました。
その中で、
「やっぱり東洋医学はエビデンス(科学的根拠)に乏しいからね」
と言われました。
確かに、現代の基準から見るとその指摘には納得せざるを得ません。
しかし、よく考えると、
その医師自身も治療という観点では必ずしも患者を治し切れていないからこそ、
鍼灸のような代替医療が注目されるのではないでしょうか。
これは一種の矛盾したレトリックのように感じます。私自身が日々心がけているのは、
無意識に相手が「触れてほしい」と
感じる部分に自然と手が行く状態を維持することです。
そのため、施術中には今目の前にいる方の体を
“スキャン”したり、
“コピー”したりするような感覚が生じます。こ
れにより相手の状態を自分の中に写し取る現象が起きるのです。一方で、自身が弱い治療家の場合、
「悪い気をもらった」「手がしびれる」といった摩訶不思議な現象を語ることがあります。
こうしたことが起きる場合もあるかもしれませんが、
あくまで稀な現象だと考えています。コロナ禍の間、
大きな打撃を受けた業種の方々が「体が痛い」
と訴えて来院されるケースが多くありました。
しかし、コロナが収束するにつれて、
そのような方々の足は遠のいていきました。よく「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言いますが、
まさにその通りです。
痛い、痛いと訴えていたのは体の痛みだけでなく、
経済的な苦しさだったのだと気づかされることがよくあります。一方で、コロナ禍の影響が少なかった業種の方々は
、興味本位で来院されたこともありました。
しかし、その後の業種の変化が悪い方向に進むと、
やはり来院されなくなりました。人間というのは面白いものです。